1. 超音波写真とは?
超音波写真とは、超音波検査(エコー検査)によって画像化した、胎内の赤ちゃんの写真です。
超音波検査は、人間の耳には聞こえない高周波の音波を使って体内の様子を観察する検査方法です。妊婦さんのお腹に当てた探触子(プローブ)から超音波を発信し、羊水内での反響を測定します。硬いものは白く、羊水などは黒く、筋肉や脂肪などはグレーに映ることで、胎内の赤ちゃんの状態を画像や動画で表現できるのです。
2. 超音波写真の英語・記号の意味
超音波の写真を見ると、様々な英語の略語や記号が記載されています。これらは胎児の成長や健康状態を示す重要な指標です。
本記事では、よく見られる略語や記号の意味を解説します。
3. 時期ごとの超音波写真の特徴
妊娠初期・中期・後期それぞれの時期に見られる超音波写真の特徴を詳しく解説します。
妊娠初期(4~11週)
早い人で妊娠4週後半ごろの超音波検査から、赤ちゃんが入った袋(胎嚢:たいのう)が小さな黒いだ円として確認できます。
妊娠6週後半~7週ごろになると心拍が確認できることも。妊娠7週ごろには2頭身になり、赤ちゃんの頭からおしりまでの長さ(CRL:頭殿長)は約12mm。体重は約4gと、さくらんぼ一個くらいの大きさです。
妊娠10~11週ごろから、手指の区別ができてきて背骨がしっかりし始め、妊娠15週ごろに胎盤の基本構造が完成します。
妊娠中期(12~27週)
妊娠中期になると、AC(体幹周囲長)、BPD(児頭大横径)、FL(大腿骨長)の3つが測れるように。また、これらの数値を計算式にあてはめて、赤ちゃんの体重を推定できるようになります。
妊娠16週〜17週ごろでは指しゃぶりのような仕草が見られたり、動きが活発になって胎動を感じるようになります。妊娠19週を超えると赤ちゃんの全身が映らなくなってきます。
妊娠後期(28週~出産)
妊娠後期では、赤ちゃんは寝たり起きたりを20分おきに繰り返しています。心臓をはじめ胎児の内臓の器官が成熟してきて、鮮明に見えるようになります。男女の外性器が写ることも多くなりますね。
妊娠10ヵ月ごろには、皮下脂肪が十分についてふっくらした身体つきに。子宮内は赤ちゃんと胎盤でいっぱいになり、羊水量が減って赤ちゃんの姿が写真上で見えにくくなってきます。
超音波写真には具体的に何が写っている?
2Dエコーの場合、超音波写真に写っているのは断面です。撮影の位置や角度によって画像が変わるため、見慣れないうちは、何がどのように映っているのか判断が難しいことも。
超音波写真をもらったら、家族に説明するためにも、その場で医師に画像の内容について聞くのもよいでしょう。最初は理解しにくいですが、慣れてくると徐々に理解できるようになりますよ。
4. 2D(白黒)超音波と3D、4Dの違いは?
一般的な妊婦健診で用いる2Dエコーは、胎内を縦・横に平面的に映し出し、モノクロの静止画として表現します。奥行きがない分、赤ちゃんの骨格や内臓の状態を確認できるため、赤ちゃんの発育状況を確認する際に2Dエコーが使用されています。
3Dエコーは、複数の2D画像をコンピュータ上で重ね合わせて立体的な画像を作成します。さらに、その3D画像を動画にしたものが4Dエコーです。3Dや4Dは、赤ちゃんの位置によっては顔立ちや表情を鮮明に写すことができ、近年人気が高まっています。
5. 超音波写真の保管・保存方法
エコー写真は通常、レシートでよく使用される「感熱紙」に印刷されています。
感熱紙は光や熱に弱いため、適切な保管をしないと数年で色褪せて見えなくなる可能性があります。そのため、エコー写真を長期的に保存するにはデジタル化がおすすめです。スマートフォンやデジタルカメラで撮影する、またはコンビニのコピー機や自宅のプリンタでデータ化する方法などがあります。
ただし、コピー機やプリンタの熱によって感熱紙が黒く焦げてしまうことがあります。デジタル化の際は、まず不要なレシートなどで試してから行いましょう。
6. まとめ
この記事では、エコー写真の見方や種類、そして保存方法についてご紹介してきました。
赤ちゃんの成長を確認できるエコー写真は、妊娠期間中の大きな楽しみの一つです。ぜひ、ご家族で赤ちゃんの様子を喜び合いながら、出産に向けて準備を進めていってください。気になることがあれば、担当の先生や助産師さんにお気軽にご相談くださいね。