胎動カウントはいつから?必要性やメリット、具体的なやり方を助産師が解説
妊娠後期において、赤ちゃんの健康状態を把握するために行う「胎動カウント」。胎動カウントを行うことで、赤ちゃんの健康...
胎動が感じられると、赤ちゃんの存在をグッと身近に感じられますよね。また、初めての胎動を心待ちにしている妊婦さんも多くいらっしゃいます。
この記事では、胎動はいつから感じるのか、また妊娠初期、中期、後期における胎動の感じ方について、現役助産師がご紹介します。
胎動とは、妊婦さんのお腹の中で赤ちゃんが動くことです。
赤ちゃんが胎動を始めるのは妊娠8週頃で、妊婦さんが胎動を感じるよりもっと早い時期からお腹の中で動いています。力も弱くて羊水の中で浮いている状態なので、妊婦さんが気づくことはありませんが、大きくなるにつれて骨格や筋肉が成長していき、妊娠4ヶ月ぐらいから羊水のなかで活発に手足を動かし始めます。その動きが子宮の壁にあたると、それが胎動として感じられるのです。
初産婦の方は妊娠19〜20週ごろから、経産婦の方は16〜18週ごろからお腹の赤ちゃんの動きを胎動として感じることが多いです。遅い方だと妊娠7ヶ月頃に胎動を感じ始めることも。
胎動には個人差があり、感じる強さやどれくらいの頻度で感じるかはさまざまです。妊婦さんの皮下脂肪の厚さや羊水量、胎盤の位置などによって、胎動の感じやすさは変わってきます。
そのため、胎動が遅かったからといって心配する必要はありません。あくまで赤ちゃんの健康は妊婦健診の超音波検査などで調べるため、健診は欠かさず受けるようにしましょう。
妊娠の経過とともに、赤ちゃんが成長していくため、胎動の感じ方や感じる位置は変化していきます。妊娠初期と中期、後期のそれぞれの妊娠時期での胎動の感じ方についてご紹介します。
妊娠4ヶ月ごろの妊娠初期での胎動は、恥骨からへその下辺りまでの間で胎動を感じることが多いです。
赤ちゃんの力はまだ弱いため、胎動の感覚を「お腹がポコポコする」「腸が動く」「小魚に突かれる感じ」などと表現する妊婦さんが多いです。おなかの動きなのか胎動なのか判断が難しいと言われることも多いですね。
妊娠5ヶ月〜7ヶ月の妊娠中期になると、赤ちゃんの骨格がしっかりして筋肉もついてくるため、内臓の動きではなくて胎動だとはっきり感じられるようになります。
子宮が大きくなり羊水量も増えて赤ちゃんが活発に動くようになるため、「お腹を蹴られる感じ」や「お腹の中からグッと押される」といった感じがします。また、聴覚が機能し始めるため、声に反応してお腹を蹴ってくれることも。赤ちゃんが元気に過ごしてくる様子が伝わってくるようになります。
妊娠8ヶ月〜9ヶ月の妊娠後期では、赤ちゃんがさらに成長して力が強くなっているため、赤ちゃんが手足を動かした時に痛みを感じることもあります。おなかの上から赤ちゃんの手足の形がわかったり、お腹越しに赤ちゃんの手足の硬い部分を感じられるようになります。
一方で、赤ちゃんが大きくなるにつれて子宮内で動けるスペースが減っていき、胎動の回数は少なくなります。
赤ちゃんがよく動くのは、妊婦さんがリラックスしているときが多いです。これは、妊婦さんの快感ホルモンやストレスホルモンが赤ちゃんに伝わっていることが原因だと言われています。ソファでくつろいでいたり、食事の前後で気持ちが落ち着いている時、就寝前などがよく胎動が起こるタイミングです。
また、赤ちゃんは寝たり起きたりを20分おきに繰り返しています。妊娠初期では眠っている時間が長いですが、妊娠7〜8ヶ月から赤ちゃんの起きている時間が長くなり、一日の活動サイクルができあがってくるため、「この時間帯になると胎動が多いな」と気付くことがあるかもしれません。
妊娠後期では、胎動を感じる頻度は小さくなりますが、赤ちゃんが起きているときはよく動くので胎動を感じられます。そのため、胎動が全くなくなることはありません。
胎動が1時間以上感じられない場合、赤ちゃんの首にへその緒が巻きついていたり、胎盤にトラブルが起こっている可能性などがあります。そのため、胎動の回数をカウントすることで赤ちゃんの健康状態を把握することができるのです。
胎動カウントをいつから始めるのか、またやり方については、以下の記事を参照してください。
胎動を感じると、おなかの赤ちゃんがより身近に感じて、愛おしさがさらに湧いてきますよね。
また、胎動は妊娠中にだけ感じられる赤ちゃんとのコミュニケーションです。音楽を聞かせたり、話しかけたり、胎動に合わせて合図を送ったりと、この時期だけの特別なマタニティライフを楽しんでくださいね。