バースプランとは?必要性や書き方の具体例を助産師が解説

妊娠期バースプラン陣痛
2024-04-18

妊娠や出産は人生で最も特別なイベントの一つですよね。でも、初めて経験することだらけで、どうしていいかわからないし、いろいろ不安になってしまうものです。「分娩時の選択肢をもっと知っておけばよかった」「医療スタッフとのコミュニケーションがスムーズにいかなかった」という後悔をすることも少なくありません。

バースプランを書くことで、どんな出産にしたいのかを医療スタッフに共有でき、自分の希望に合ったお産に近づけることができます。

この記事では、バースプランの必要性や書き方の具体例について、これまで多数の出産現場を見てきた助産師が詳しく解説していきます。

監修プロフィール
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助産師
ひょうどう ゆか
兵頭 友華
京都大学医学部、京都大学大学院医学研究科を卒業後、都内の大学病院に入職して助産師として勤務。現在は都内の産婦人科クリニックに勤務しつつ、産後支援を兼ね備えたニューボーンフォトグラファーとして活動。
目次

1. バースプランとは?

バースプランとは、お産の計画書です。妊婦さんやパパが納得できるお産にするために、お産の希望を書き出したものがバースプランです。

産院の方針も確認しつつ、どんなお産がしたいのか、産後入院中はどんなふうに過ごしたいのかを、できるだけ具体的に考えて記載しましょう。バースプランを受け入れている産院では、専用の記入用紙に書いて提出する場合が多いです。記載の書式や提出時期、相談のタイミングは産院によって様々ですし、バースプランに対応していない産院もありますので、事前に確認しておくと安心です。

2. バースプランを作るメリット

バースプランを作成するメリットはいくつかあります。

医療スタッフに希望を確実に伝えられる

妊婦健診での診察では慌ただしいことが多く、話しにくいこともあるでしょう。その際に、バースプランを記載することで、医師や助産師に確実に情報を共有することができ、認識のずれを防ぐことができます。

妊婦さんの不安が軽くなり、ストレスが減る

妊婦さんが出産について自分なりのイメージを持てたり、疑問や不安を産院に相談することで不安が軽くなり、納得できるお産に近づけることができます。また、産院との信頼関係が深まり、心に余裕を持って出産に臨むことができるようになります。

妊娠中は精神的にも不安定な状態になりやすく、さまざまなストレスを感じていると思います。妊娠中に感じるさまざまなストレスは、胎児の発育にも影響を与えるとされているため、バースプランを書くことでお産の不安を解消できるのはメリットといえるでしょう。

家族で理想のお産を考えることができる

バースプランを作るためには、出産に関する様々な選択肢について話し合う必要があります。バースプランを書くことで、パパや家族と出産についてどう考えているかを話し合い、お互いの価値観や期待を理解する良いきっかけになるのです。

また、これを機会に、パパの出産や子育てに対する考え方が前向きに変わったり、出産への理解が深まり積極的に協力してくれるといったことも。パパ・ママの関係性向上にもつながりますし、出産という人生の中でも重要なイベントに向けて、一緒に準備を進めるきっかけになるのは非常に良いですね。

3. バースプランに書く内容と具体例

妊婦さんがリラックスできる環境を整えたり、思い出に残る出産体験を実現するために、バースプランには様々な内容を記載することができます。具体的にどのようなバースプランに書く内容にはどのような候補があるのか、確認してみましょう。

1. 出産方法

希望する分娩方法があれば、事前に医師や助産師に相談しておくと安心してお産に望めます。

普通分娩以外は行っていない産院もあるので、無痛分娩やフリースタイルなどの希望があるときは、あらかじめ調べてから病院を決めることも必要です。

分娩方法のほかにも、会陰切開や陣痛促進薬といった医療処置や、立ち会い出産に関する希望などがあれば、それも書き出して確認をしましょう。

● 具体例
  • 無痛分娩をしたい
  • 自然な陣痛を待って普通分娩をしたい
  • 会陰切開をなるべくしたくない
  • 陣痛促進剤はできれば使いたくない
  • いきみ方を教えて欲しい
  • 夫は常に近くにいて欲しい
  • 夫以外の家族は入ってほしくない
  • 音楽を流してリラックスしたい

2. 陣痛中

陣痛が始まると、自分の望むことをしっかり伝えるのが難しくなることがあります。また、直前だと希望を叶えてもらえない可能性もあるため、陣痛中にしたいことはバースプランに書いておくのがおすすめです。

陣痛時にそばにいて欲しい人や、助産師さんにサポートしてほしいことがあれば、明確に書いておきましょう。また、リラクゼーションを促すアイテム(足浴器やアロマポットなど)を産院で用意してもらえる場合もあるので、事前に相談してみてください。

あるいは、実際に陣痛が始まると、以前に考えていたことから変更したいことが出てくるかもしれません。そんな時のために「当日の変更希望を優先してほしい」という一文を加えておくと安心ですね。

● 具体例
  • ひとりになる時間を作りたくない
  • お産の進み具合をできるだけ細かく教えて欲しい
  • 声掛けは強い口調でしないで、優しくして欲しい
  • 呼吸の仕方を助産師さんにリードして欲しい
  • 夫にそばでサポートして欲しい
  • アロマを焚きたい
  • 好きな音楽を流してほしい

3. 赤ちゃんが生まれたとき

産院の方針にもよりますが、ビデオや写真撮影をしたい、出産直後に赤ちゃんを抱くカンガルーケアをしたいのかなど、希望することをなんでも書き出しておきましょう。出産時の赤ちゃんやママの健康状態によっては、希望通りにいかないこともありますが、書いておくに越したことはありません。

● 具体例
  • 出産の様子をビデオ撮影したい
  • 赤ちゃんの産声を録音したい
  • 生まれてすぐに赤ちゃんを抱っこしたい
  • 初乳をすぐに与えたい
  • 赤ちゃんとパパと記念撮影をしたい
  • へその緒は夫に切って欲しい

4. お産入院中

入院生活は育児に慣れるためにも、ママの体の回復のためにも、大切な期間。個室、大部屋といった部屋のタイプで費用が異なるので、調べて希望を伝えておきましょう。また、からだが回復するまでは日中だけ母子同室など、柔軟に対応してもらえる産院もあります。

● 具体例
  • 母子同室にしてほしい
  • 個室にしてほしい
  • 産後はゆっくり寝たいので、夜間は新生児室で赤ちゃんを預かって欲しい
  • 母乳で育てたいので、母乳の指導をしてほしい
  • 退院後に無理をしてはいけないことを家族に説明してほしい

4. まとめ

今回は、バースプランの必要性や書き方の具体例をご紹介しました。

バースプランに書かれたことがすべて叶うわけではありませんが、すべてが順調に進むという前提で、望むことをすべて書き出すことが大事です。自分の気持ちに想いを馳せて、希望を文字にするだけで、出産に向けた心の準備が整ったり、不安が落ち着くこともあるのです。

また、パートナーと価値観や情報を共有することで、出産への理解が深まったり前向きに出産を考えてくれることもあります。後悔のないお産にするためにも、バースプランを書いてお産をどのように進めたいか病院と相談しておきましょう。

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監修者紹介
ひょうどう ゆか
兵頭 友華
|助産師
京都大学医学部、京都大学大学院医学研究科を卒業後、都内の大学病院に入職して助産師として勤務。現在は都内の産婦人科クリニックに勤務しつつ、USAGI PHOTOにて産後支援を兼ね備えたニューボーンフォトグラファーとして活動。
カテゴリ:
妊娠期
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